2012年8月14日火曜日

ミッション

それはおエライさんからのメールから始った。某国大使館のパーティにトップと二人で招待されているが自分はどうしても行けない。その事をトップに打診した所、私を代わり通訳として連れて行くとの指令が下った。その日の予定はどうか?正式な招待状は既に回付したからすぐに手元に届く。

その日は多数の取引先を招いたセミナーがあり、責任者である私が不在と言う訳には行かないと説明したものの、「君以外でもそれは出来るだろ」、と押し切られた。セミナーの前半を自分でまとめて後半は他のメンバーに任せれば出来ない事は無いかもしれない。そんな形でこなす事にした。そもそも選択肢なんか与えられていないし。

パーティーはラウンジスーツ着用との事とあった。一瞬、ブラックタイ、タキシードかと思ったが普通のスーツで良いらしい。ちょっとつまらない。以前NY時代にタキシード着用のパーティーに出席する為に衣装をレンタルして参加した事を思い出す。通訳で参加するとは言え、大使館のパーティーとはどんなものだろう。立食にカクテル、ミステリアスな美女に武器を携帯したエージェントが闊歩しているのだろうか、ミッション・インポッシブルやジェームズ・ボンドのようなイメージが頭を駆け巡る。脳内BGMは当然007。語る私に対する嫁さんの失笑は氣にしない。

それが昨日の事。

お盆で比較的のんびりしているとは言え、やる事には事欠かない状態で仕事をしている電話がまわってきた。某国大使館から。何だろうと思って出た。「今回のパーティは代理での出席は認められません」。


何だよ


後に打合せから席に戻ると招待状がデスクに、業務メールには「招待状を返送しろ」、と言うおエライさんのメッセージがありました。夏の儚いボンドデビューの夢。


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