2012年10月17日水曜日

血生臭い話

 それは9月末の土曜の夜中の事、台所での出来事だった。まだ暑く、水出しで作った麦茶のボトルを冷蔵庫にしまおうとした私は深く考える事無く、蓋の部分を右手で掴んで持ち上げた。ガラスのビンにプラスティックの蓋、時々すっぽ抜けるんだよなと思いながら冷蔵庫のドアを開けようとした時、スポッとボトルが抜け足元で粉々になった。手元にはプラスティックの蓋が残ったまま。

粉々になるガラスと「あっ」と声が出るタイミングは一緒だったかもしれない。フローリングの足元にはお茶とガラスの破片が飛び散り、同時に右足の指先付近の水溜りが急激に赤くなり始めた。

あちゃちゃ。

どこから血が出ているのかが分からないが、右足の親指の付け根は真赤である。痛みは無い。取り敢えず大きな破片をまとめつつ、慎重に右足の位置を移動させたら血溜まりも綺麗に移動した。結構な量、出ている氣がする。そんな時、何が起きたのかと嫁さんが台所に顔を出した。少し固まりがちな嫁さんに事情を説明する。取り敢えず雑巾で拭いて、それから掃除機だろうか。自分の足の血もどうにかしなくてはならない。夜中で子供が寝ているのがせめての救い。こんな場で身動きが取れない状態で好奇心の塊に突入されては堪らない。

血をどうにかしようと台所のシンクに右足を入れ、水で流してみた。血が流れ傷痕が見える。深くは無いが少しえぐられた感じだろうか。キッチンタオルで止血をはかり、その後、嫁さんからもらったティッシュで傷を押さえる。やれやれである。私が動けないので嫁さんが雑巾がけをしてくれる。バケツの中の水は真赤に。自分の傷なのに他人事のようなプチホラー感。

結果から言うと嫁さんが掃除をしてくれ、私の足は応急処置。昨年の震災後に用意してあった防災ツールの中にセットが入っていた事をその時初めて知った。痛みは無かったが傷痕の場所が場所だけに大きなバンドエイドをしていても数日間は毎日、帰宅後、皮靴を脱ぐと血が滲んでいる状態だった。幸い大事にはならなかったが学習した事が一つ。


映画や小説で描写されているようにガラスが割れると結構切れる

嫁さんからは「あんなにまとまった血を見た事無いし、台所が血生臭かった」とコメントされました。えぇっとごめんなさい、そしてありがとう。

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