2013年10月15日火曜日

そして父になる

親子ものを描いた映画が涙腺を刺激するようになったのは30歳を過ぎた辺りではないかと思う。それも父と息子ものに弱い。オーソドックスなものだと「Field of Dreams」とか、Pixarの「Finding Nemo」もなかなかである。


そして父になる」、「6年間育てた息子は、他人の子でした」、このキャッチフレーズに全てが集約されている。福山雅治演じる大企業エリートの野々宮一家とリリー・フランキー演じる町の電気屋さんの斎木一家、それぞれの家の長男が取り違えられていた事から生じるドラマ。それぞれの家の事情が細かく描かれているのだが基本は福山雅治目線。彼なりに子供思いの良い父親で旦那なのだが、嫌なヤツでもある。そんな彼が物語が進む過程で何故そのような考え方でいるのかも分かる仕掛けとなっている。それぞれの母親の事情や子供の目線、リリー・フランキーの立場もあるだろうに何故に彼目線と思いながら劇中、「そして父になる」と言うタイトルに思い当たった。他の3人と比べると彼だけが(父)親であるけど、まだ親でなかったのだなと。

私自身、2人の息子がいる立場として観ていたので、終始、子供達の顔が思い浮かんでいた。今だからこそ、作中の小さな設定(それぞれの家の事情、ママ友感覚、父親と母親の感性の違い)などが非常に強く伝わってきた。それぞれの親キャラに対しても身近にいるなーと言う親近感をもって観ていた感じ。

この夏は色々と観たい映画が目白押しで「Pacific Rim」、「Star Trek Into Darkness」、「Man of Steel」、「Elysium」、など一時期、毎週のように映画館に行ったが、最終的にこうして感想を残したいと思ったのはこの映画だった。日本映画も悪くない。

レイトショー鑑賞後、帰宅して最初にしたのは子供の寝顔を確認する事。自分が子煩悩になるなんて上の子を初めて抱っこするまで思いもしなかったが、蓋を開けてみればそんなものである。不思議。

子供の歳が違えばまた違った感想を持ったのかもしれないが、この映画は今のタイミングで観る事が出来て良かった。

0 件のコメント:

コメントを投稿