2012年12月6日木曜日

転職の話 - 其の一、ヘッドハンター編

2012年11月末をもって15年勤めた日系の会社を退職、12月より新しく外資系の会社で働く事となった。今の世の中、転職がどの程度一般的なのか分からないが、備忘録を兼ねてここに記す。最初はヘッドハンターについて。

私が初めて転職の事を考えたのは2008年、10年のNY滞在を経て青天の霹靂で帰任を命じられた時だった。会社のロジックはしっかりしていたが生活が充実しており、色々と納得がいかなかったと言うのが理由。知り合いの人材派遣会社に相談し、英語のレジュメを作製、活動をしたが実らなかった。労働ビザで働いてたのが大きいのではと思う。

前職の場合、元々、海外畑で働いた人間の転職率は高いのだが、帰国後、次のきっかけとなったのはロンドン事務所で働いていた少し年上の元同僚が大手外資に転職した事だった。2011年始めの事である。個人的には10年の海外勤務を終えて帰任する事はそれ自体、異国の地に転職する事と似た感覚だったが、幸い居心地も悪くなく、仕事も面白かったのですぐに転職を考える事も無く数年が経っていた。その頃、直属の上司もヘッドハンターからコンタクトを受けており、自分の中で彼等に出来る事なら自分にも出来るのではと思った事も大きい。

私の転職活動は時間で言うと約1年半。長い方だと思う。何でも良いから転職と言うスタンスではなかったので活動が賑やかな時期もあれば何も無い時期もあった。主な活動方法は転職サイトへのレジュメ登録。無料サイトでは[en]転職コンサルタント 、有料サイトではビズリーチなどを使った。会ったヘッドハンターの数は10以上、20未満と言った所。全て先方からのアポ依頼による。親身になって色々と相談、案件を紹介してくれた所もあれば、先方からのアポ依頼で会ったにも関わらず15分程度で面談終了と言うケースもあった。ヘッドハンターからすれば候補者判断は商品価値判断なのでその感覚は分からなくもない。企業の求人案件をチェックし、適切な人材を探して紹介するのは大変な仕事だろう。会ったエグゼキュティブサーチ企業規模はワンマンレベルから大企業まで様々だが、多才なスキルを要求されるなかなか厳しいビジネスであろうと言う事はよく分かった。初めての時はヘッドハンターからコンタクトがあるだけで選ばれたかのようなドキドキ感があるかもしれないが、突き詰めれば、自分と言う商品を生で見て値踏みをしたい営業職の人間がコンタクトしてくるだけと達観すれば変な期待を抱かなくても済む。それは相手の会社で会おうが、ホテルのバーで会おうが同じ事。

私の場合はレジュメは日本語と英語の両方で用意した。レジュメをまとめる事とヘッドハンターと会う事のメリットは思いつく範囲だと次だろうか。

1. 自分のキャリアを客観的に捉える事が出来る
2. 自分の市場価値について客観的な意見を得る事が出来る
3. 商品としての自分をどうプレゼンすれば良いのか研鑽する事が出来る
4. 自分の強み、弱みを把握、その上で自分が何がしたいのか、転職するに当たって優先順位は何なのかを自覚出来る

後は気に入る案件があれば応募するのみ、そして面談である。私の場合は最初にコンタクトのあったヘッドハンターがレジュメの修正箇所の指摘の他、面談前の模擬までやってくれたのが大きかった。その時の大手外資案件は最終面談まで行ったものの実らなかったが、その約1年後に再びコンタクトされ受けた企業ではオファーをもらう事が出来た。私の転職先はそこでは無いが、オファーの段階まで進むとヘッドハンターのアドバイスも退職に当たっての身の振り方にまで及び非常に勉強になる。

言うまでも無く、結構な数の企業で落ちた。書類選考はほとんどパス、1次、2次で落ちたのが多い。最終面談まで行った企業も数社。落ちた理由については詳細を教えてくれるヘッドハンターもいれば、曖昧なヘッドハンターもいる。落ちた事についてこちらから問い合わせて初めて連絡してくる所もあったが、これは例外的に対応が悪いのだろうと思いたい。いずれにせよ見送りになると気落ちするが(特に最終面談まで行ったりすると)、自分のスキルが先方の求めている役職に合わなかっただけの話で人格が否定されている訳では無い、don't take it personal。

そんな訳でまとめると、

1. レジュメ(職務履歴書)は転職意思の有無に関わらずまとめておくのが吉
2. ヘッドハンターとのアポは気張らず、人生経験の一環としてこなすのが吉

次回はビジネスSNS、LinkedInについて。


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