2012年1月18日水曜日

武道の必修化に思う事

私は高校時代に中国武術に出会い、大学で合氣道を始め、色々と稽古を続けて来たので単純な武道歴で言うと20年以上になる。武芸は私がかなり熱くなる分野だし、子供にも教えたいと思う。

とは言うものの、まるで狙ったかのように2日続けて、愛知の柔道教員、6日で黒帯…30年間全員合格や、中高生114人、柔道で死亡していた…名大調査なんてニュースに触れると正直、氣が滅入る。前者についてはきちんと読めば6日と言うのは1年目に2日の講習、2年目に4日の講習を受けて愛知県の中学・高校の体育教員が黒帯をもらうと言う事なので厳密には1年の期間があっての6日だが、それでも何だかなと思う。そこに追い打ちをかけるように後者のニュース。114名の統計は1983~2010年の28年間の合計だが、半数以上が1年生、死亡原因の大半は頭部外傷と読めば言葉を失ってしまう。

こちらの記事によると2010年度に柔道で黒帯を取得した人数は男女合わせて約2万3600人との事。さすがは講道館、大組織である。武芸によって黒帯の難易度は異なるし、身も蓋も無い事を言えば昇級、昇段審査は道場にとって売上に貢献する大きな所なので、別にどの流儀にどれだけの黒帯がいるかは個人的には問わない。そもそも今の時代に黒帯と言うものにどれだけの価値が置かれているのか分からないが、親としては自分の子供が学校の体育の授業で、運動神経だけで受身が取れて黒帯を締める事になったかもしれない人間に武道を教えられるのはごめんこうむりたいと言うだけである。

武道の話になると礼儀や人格形成が話題に挙がる事もある。我が身を振り返れば確かにそれは有効だったと言えなくもない。が、それは結果であって、目的では無い。それを目的に子供に武道を学ばせたいと言う親がいたら個人的には反対だ。最近のニュースを見ていれば、アマ、プロを問わず試合の勝敗が全ての評価基準のベースとなった結果、人間的に問題ありな人達がチヤホヤされ挙句の果てにトラブルを起こしたと言うケースも目に付く。心身を鍛えて身を守れるようになるメリットは計り知れないが、その過程で道を踏み外しては本末転倒甚だしい。

今まではこの種のニュースに触れても基本的に他人事だったのだが、自分に子供が出来ると反応が変わると言うのは一つの発見。どうしたものかなと思う。


取り敢えず学校教育が始まる前に一通り仕込むとか


そもそもどこで育てるかなど、色々と考え込みます

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