2012年4月2日月曜日

デニーロ フェア


意図していた訳では無いのだがこちらの方の掲示板のコメントに触発されて久しぶりに「Midnight Run」を借りて観た後、嫁さんが「Wag the Dog」を借りてきて観賞。期せずして1988年の作品と1997年のロバート・デニーロの作品を観る事になった。




「ミッドナイトラン」。現在、続編の製作が噂されている賞金稼ぎを描いた1988年の傑作。映画館で観た記憶があるので当時、中学生か高校生だったに違いない。元警官で賞金稼ぎのデニーロが、会計士でギャングの金を慈善団体に寄付してしまったグローディンをNYで捕まえてLAまで連れて行く物語。典型的なバディー・ムービーである。当時はピンと来なかったが、NY、ピッツバーグ、シカゴ、ラスベガス、LAの漠然とした位置関係が分かると彼等の旅ぶりが何となく伝わって来る。

登場人物の大半がヘビー・スモーカー、電話は公衆電話、飛行機のイヤホンは耳にぶら下げる聴診器型、カメラはポラロイドと言う辺りにとことん80年代を感じる。物語が全体的に能天氣な明るい空氣に包まれているのも80年代の映画の特徴か。当時のデニーロと今の自分があまり歳が変わらないと言う事実に茫然。





「ウワサの真相-ワグ・ザ・ドッグ」。大統領選挙を2週間後に控えた所に現職の大統領にセックス・スキャンダルが。もみ消しのプロとして雇われたデニーロがハリウッドのプロデューサー(ダスティン・ホフマン)と組んで世論操作の為に戦争をでっち上げる物語。今、観るとどこかで聞いた事があるような話だと思うが、驚くべきはクリントン大統領のモニカ・ルインスキー事件の前に作られていると言う事実。上映時間97分と徹底的に無駄を省いた構成とブラックユーモアで退屈させない。テレビニュースが世論を形成する空氣、同時多発テロの後のイラク侵攻前のアメリカで実感した事を思い出す。大ヒットするタイプの映画では無いが、大人の鑑賞に耐えうる作品。私の中ではデニーロとホフマンの共演は2004年の「ミート・ザ・ペアレンツ2(Meet the Parents 2)」、だったのでここで共演していたのはプチ発見。

特にデニーロを意識している訳では無いのだが、クリスマスから年末年始にかけて「ゴッドファーザー」三部作を観て以来、氣が付いたら結構まとめて観ている氣がする(「ディア・ハンター」も観たし)。先日、書いたタクシードライバーと比較しても70年代、80年代、90年代とそれぞれの時代の空氣が反映されているなと思う。


 今のネット時代では逆に考えられない面白み


 「ミッドナイトラン」の設定も「ウワサの真相」も今の時代背景では物語が成立しないだろうと思った次第です

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